2.彼女の魔法について(序論-主題)

◆このエントリー群は、例大祭14で出した魔理沙の総集編に関連して、何となく原稿作業中に思った事を書き連ねるものです。
中身に興味を持ちましたらこちらで委託しておりますのでどうぞ。

まだ序論です。私の書く論文はだいたいいつも序論がやたらめったら長くなります。もはやしょうがない。

魔理沙とは不思議なものです。
名前を見るだけなら確かに薄暗い。雨が二つの霧雨に、さらに名前が魔に沙である。
(なんで下の名前で更に水部重ねちゃったの???そしてその魔はなんだ??????)

しかし彼女の使う魔法は、熱と光の魔法-恋符に星符である。
極めつけは語尾のだぜ、だ。彼女を見た者は最初、パーッと明るい竹を割るような性格を想起するだろう。
私も例に漏れずそう考えていた。属性で言うなら火、闇と光なら光だ。
しかしながら、水行である。
萃夢想と香霖堂の二回、そう書かれたように、魔理沙はその名の通り水行・水属性の人間なのだ。
うわぁーというほかない。
白黒で、星で、熱と光の魔法で、恋色で、水だって?
うわぁーーーーー
うわあーーーーーーー。


何という矛盾を抱えているんだ、彼女は。


それでは、生まれつき熱を弱める「水」の性質を持つにも関わらず熱を渇望する彼女は、
いったいどのように魔法を習得するのであろうか?

「魔法」の「研究」。ただ独立した二つの単語を並べただけに見えるかもしれない。
しかしながら、本来この二語の親和性は非常に高い。並んでいて至極当然だ。
自明であるかもしれないが、改めて強調して記そう。


ギリシャ哲学の時代に遡る。
哲学?唐突だな、魔法と何の関係があるのだ、と思われるだろうか。
プラトンは、我々の認識しているものはイデア・虚像(似像)に過ぎないと言った。
アリストテレスは、それに対し実像(というと語弊がある―要因、根源)を認識していると言った。
確かに近代の魔法のイメージからはほど遠いかもしれない。しかし、こういった人々の興味はこの頃からただ一つだ。

「世界は一体、何で構成されているのだろうか?」

世界の構成要素。我々が触っているものの本質は何なのか。
実は、水・火・土・風(空気)といった、西洋系の魔法モノで頻出の”四大元素”はこの哲学の流れから生まれたものなのだ。
東洋では五行-木火土金水や陰陽が構成要素であると考えられた。
西洋では唯物論的な方向に細分化・発展した結果、実際に水から何が出来るのか、火から生まれるものは何か、といった実験が行われた。

さあ、ようやく研究との繋がりが見えてきた。
やがて人間の性か、本質的な世界への興味だけでなく、実用的な方向に活用する者も現れる。
金<ゴールド>を練成できたら。何から構成されているのか分かったら。
病気を治せたら。どの薬がどう作用するのか分かったら。
(ここまで書いて、該当のwikipediaを見たらほぼコンテンツが一致してしまっていた。つまり一般論ということだ。つまらなくて申し訳ない。)

即ち、錬金術―金を作り、更には賢者の石に発展し、永遠の命を研究したもの。
即ち、薬草術―魔女狩りの際に犠牲になったと言われている者が、命を賭して研究したもの。
それぞれ現代の化学や薬学に繋がっている事は明らかだ。

現代の自然科学は事実に基づいた論理で構築されている、だから、哲学や科学に至っていない魔法などと一緒にするのは誤りである―そういう風に考える人もいるだろうか。
だがそう言われたら、私は笑いながら嬉々としてこう言い返すだろう(性格が悪い)。
基本的にどの学問でも、博士号はPh.Dの和訳だろう?
ではそれは何の略だ?
"Doctor of Philosophy"―あらゆる学問において、それを修めた者はみな"哲学博士"なのだ。

ならば、魔理沙は魔法の徒であり、科学の徒であり、哲学の徒なのである。

従って、私は魔法使いとはまさしく研究者そのものだと考えている。
自分の興味を満たす為、あるいは何かを解決する為、世界の探求を行う者である。


…おいおいおまえ話を盛るなよ、Ph.Dの語源はラテン語の方だから現代英語と全く同義じゃないだろうが、と言う人もいるかもしれない。その場合は残念、その通りだ。タネのある言葉遊びだ。
まあでも、どちらにせよ要は哲学と博士号の語源は共通なのである。
私が言わんとしていることは何となく伝わってほしい、ロマンなのだ。



ということで、私は科学を自分の興味を満たしたいといったような、人間の欲求を根源に始まったものだと考えている。
しかしその派生として、何かを解決する為に科学を行う者が出てきたと話した。
研究者をある一軸から見たとき、そういった「興味追求型」と「課題解決型」の2つに分けることが出来るかもしれないと考えている。
その軸上でいうと、魔理沙は明らかに課題解決型ではないだろうか。恐らく何か解決したいものが彼女の中にはあって、その為に魔法技術を磨き続けているのだ。
知への探求心や好奇心ももちろんあるだろうが、明らかにしたいものは世界の真実ではなく、
彼女自身の中にある何かであろう。
その一方で、アリスは典型的な興味追求型に見える。世界を観察し、何らかの事実を明らかにしようとしているのではないだろうか。人形を通じて。
ただ、あくまでも興味があるのは世界だから、他人には興味がない。
言うなれば自分自身と世界にしか関心がないのだ。だから邪魔をしない限り人間に危害は加えないが、研究の邪魔をするなら容赦しないだろう。
うーん、いかにも理論系の研究機関にいそうである。



ちなみに該当の話は作画が酷い上に話も盛り過ぎて訳が分からなくなっている。
本は2012年に出したのだが、ちょうど鈴奈庵が連載開始する直前くらいである。
当時は独自解釈とオリジナル要素が強すぎるなと思いながら描いていたが、
その後邪龍が登場したり、実際に魔理沙が人の死を何とも思わないという記述が出てきたりした事を考えると、あながち方向性としてはそこまでかけ離れていなかったのかなぁと思いました。
しかし龍の子(ぴーちゃん)は完全にただの趣味なのでまぁアレです。

ただ一つだけ明らかに間違っている解釈(五行のアレは写植ミス)があります。
直そうかと思いましたがそのまま収録したので暇で死にそうな方は是非探してみて下さい。魔理沙ちゃんではない。


ところで再三言うようですが、もうちょっと水行の魔理沙ちゃん増えるかなと思ってたんですけどあまり見ない(把握できてないだけかも)ので、随時情報提供お待ちしております。
季節でいうと冬だという事が明らかになったことですしね!!!!!!!!!もっとみんな描いて!!!!!!!!!!!

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